October 05, 2006

怖いこと

患者さんの疑問には、極力答えたい。

「なぜ痛むのですか?」

しかし、この問いに対する答えがいつも明確とは限らない。

持てる知識を総動員して、理論的に説明をするけれど

いつも胸の中に「本当に?」という言葉がリフレインする。

医学は科学なので、信頼できる情報源からの証拠が大切だ。

でも、実際、どれだけのことが「科学的に明らかになっている」のだろう。

うそを言うことが怖い。「違う医者にかかるたびに、違うことを言われる」と言われることが怖い。

だから、真剣に最新の知識を得られるように努力する。不安を持ち続けて、自分の言動から根拠の無いことがなくなるように、努力する。

医者とは、不安を抱えながら勤める職業である。

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July 10, 2005

セカンドオピニオンの求め方

脱臼 バブの反復性肩関節前方脱臼のHP 
の掲示板に書き込んだ内容を

ここでも、ご紹介したいと思います。

話題は、「セカンドオピニオンの求め方」

・・・・・・・・

こういった、ディスカッションが出来てうれしく思います。
不安を持って来院される患者さんの気持ちを思い、
医者側の努力が足りないなぁと、改めて思いました。

>医師の気持ちを損ねてしまうのではないかと言う畏れのような気持
>機嫌を損ねないようなうまい申し込みの仕方

私自身は、「セカンドオピニオンを求めたいのですが」という患者さん、また「大学病院で相談したい」という患者さんに、機嫌を損ねたことはありません。今の時代、というよりも、ご自身の体のことですもの当然です。
逆に言えば、上記二つのように切り出されて、嫌な顔をするような医師は、そう切り出そうが切り出さなかろうが、いい関係を築けるとはいいがたいと思います。正直に、自分の言葉で切り出してみてはいかがでしょう。言いにくければ例えば「知り合いに医者がいて、一応大学病院で意見を聞いてみては、といわれたのですが・・・」とか・・・かな・・・
 そこで、例えば本当に自分で自信を持って大学病院並みの治療が出来る、という医師ならば、そう言ってくれるでしょう。たとえば、バブさんがおっしゃるように、講師レベルの医師で小さな病院に出向いている人に、運よく出会ったような場合。

>大学病院で診察を受けるべき病気かどうか
ということですが、どんな小さな疾患でも特に手術は全て「大学病院で治療方針を相談すること」はいいことだと思います。
そこで、例えば小さな病院でも充分に判断が出来、私がblogで述べたように受診すること自体が時間の浪費が懸念されるとき(患者さんの不利益になるとき)医師が、不安を感じている患者さんに対して、きちんとそのように説明をする義務があると思います。

特に、肩の手術については特殊な手術ですので、「大学病院を受診すべき場合」だと思います。
ガイドラインとしては、肩の場合「手術を考えたら大学病院へ」ということだと思います。

患者さんが考えているよりも、現在医師の間では「セカンドオピニオンを得ること」は当たり前のことになっています。

・・・と、ここまで書いていて「キレイゴトにきこえるかなぁ」と思いました。
今、隣にいる旦那もどき(建築家)にどう思う?って聞いたら
「俺だったら、親身になってくれる先生ほど言い出せないなぁ。裏切るみたいでさぁ」とのこと。
まだまだ、嫌な顔をする医師もいるんだろうし・・・根は深い問題ですね。

肩の脱臼に対する手術は、幸いにも一分一秒を争わなければならないものではありませんので、じっくり考えて、こういった、いいHPもあるので出来るだけ情報を収集して、納得のいく治療を受けてください。
 あなたの肩と、一生つきあっていくのは、あなた自身です!!

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June 02, 2005

どうしても、言いたかった

今日、とても残念なことがあった。
「リハビリしているのに、肘が動くようにならない」と訴えていらっしゃった患者さんがいて、
受傷当時からずっと、接骨院で見てもらっていた
(それも、近所の提携している内科で撮ったレントゲンで診断しながら)とのこと。
整形外科医以外がするレントゲン診断は、違法行為では!?
今となっては、肘ごと人工関節にするしか手はなくなってしまっている。
受傷したときに、整形外科医がレントゲンを見て骨折の形の正しい診断をしていれば
手はあったものを…
前にも書いたとおり、私は接骨院や整体や柔整の先生のほうが優れている部分もあると思っている。
ぜひ協力していきたい。
でも、これだけは、言わせてください。
「怪我をしたときには、まず整形外科に来て下さい。
 
怪我の診断のノウハウは、我々が一番持っています。」
 

エキブロ・メディカルにも投稿させていただきました。

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May 22, 2005

師匠

今日は、私の医者としての師匠の一人に会いに静岡に行ってきた。

「○○さん(「先生」ではなく)、と呼ばれるような『いつでも隣にいる関係』を築きたい。」

と、建設中の病院案内に刷り込まれていた。

その師匠と志を同じくした医師が、山口で開業している。

往診に行くときは着ぐるみを身にまとい、患者さんと「ハグ」で挨拶をする。

この方も、私の師匠の一人で、私の送別会のとき

「あなたはまだ若く、技術も知識もまだまだだけど、
 すてきな『笑顔』がある」

という言葉をプレゼントしてくださった。

患者さんとの距離を縮めることには、医者側の勇気が必要だ。

あえて患者さんと、人間同士の付き合いをする「勇気」。

一生懸命勉強すれば、知識や技術で患者さんを救うことは出来るが

人間としても、いつでもそばにいて、ハグの距離で、患者さんの心を救うウツワがあるだろうか。

そんなことを、頭で考えているうちは駄目なのだろう。

自分の閉じた心を開き、患者さんの抱えることに心から共鳴した時

自然にハグできる自分がいるのかもしれない。

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May 14, 2005

学会

orthopaedicians 今日は、横浜で開かれている日本整形外科学会の学術集会に参加してきました。

何千人という参加者がいて、みんななんとなく慣れないスーツを着た医者(ほとんど整形外科)です。

白髪のおじい様から、茶髪の若者まで様々で、女性は数%でしょうか。最近増えてきた印象はあります。

今、トピックとなっていること、スタンダードな治療法、学ぶことはたくさんあります。

私自身は、基礎的な研究が進む関節リウマチの分野や、骨粗鬆症の分野に大変興味があるので、その辺を中心に勉強してきました。

全体としては他にも、「いかに小さな傷で、組織を傷つけずに手術をするか」ということや自分の組織を培養して手術に使う「再生医療」や、「コンピューターのナヴィゲーションに沿って人工関節を入れる方法」などに焦点が当たっていたように思います。

医者は一生勉強が、勤めです。

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April 30, 2005

巨大 大学病院 

同じ整形外科の女医さんnanakoさんの記事にTB。

本当に、大学病院嗜好を肌で感じます。私も大学病院で外来をやっていますが、nanakoさんに同感です。

ちょっと、「仕事場が近くなんで&前から気になってたんですけれど」という感じで大学病院をはじめて受診してしまうと、大変なことになります。

延々またされた挙句、レントゲンを取りに行き、延々と歩き、さらに待たされ、やっとレントゲンを取り終え、「痛いのに何でこんなに歩かせるんだよ!」とおもったら、診察室に呼ばれるまでさらに窮屈な格好で長い時間待つことになります。

セカンドオピニオンとして大学病院を受診するのが一番いいのではないでしょうか。フランスでは9thオピニオンも当たり前、らしいです。行き過ぎですけど…

レントゲンもMRIも、比較的待ち時間の少ない小回りのきく大学病院以外で取って、紹介状を書いてもらって、大学病院へ行くのが得策かなとおもいます。

紹介を嫌がる医者は、今時絶対いないと思いますよ。

で、充分小回りのきく病院でも治療が可能だという診断ならば、通いやすいし夕方も見てくれるから便利だと思います。

  …とはいっても「診断」については、大学病院は安心できる確率が高いとおもいます。でも、あくまで確率…

こんなことに困った!などなど、少しは相談に乗れるかもしれません…

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April 16, 2005

日本総合除痛プロジェクト!!

エキブロ・メディカル「皆様にご相談です」の記事のTBです。

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April 08, 2005

fracture_of_toe外来をしていて時々不思議に思うことがある

同じ怪我をした患者さんが、立て続けに来るのである。

肩の脱臼

縫わなきゃいけない切り傷・・・

一度なんて、肘の亜脱臼をした子供が5人も続いて

みんな並べて整復して、

いっぺんに説明しようかと思ったくらい。

今日は、「足の小指をぶつけました」って患者さんが何人も来た。

ある日に小指をぶつけて、しかもその人たちが、私の外来に受診する確立って・・・

きっと、世の中は確立計算では説明しきれない力が働いている

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March 23, 2005

救急車を呼ぶ女

mitumata_skyやっと帰ってきました。花粉の飛ぶ下界に。今回のスキー診療でもまた、救急車を呼んでしまいました。
診療所は、時に救命病棟24時もびっくりの3次外傷患者さんがやってきます。
スノーボーダーが果敢にジャンプに挑戦するようになってから、益々頻度が高まりました。
普段はのんびーりとしている診療所に、一瞬にして緊張が走ります。

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March 06, 2005

当直中

当直中に考えた救急外来にかかるときのポイントを書きます。
消防庁内の「消防テレホンサービス」
  都内なら03-3212-2323にかけて、近くの救急患者を受け入れている病院を教えてもらう。
    
    これ、一番重要です。
    かかりつけの病院が、どんな科の救急外来をしているか
    普段からチェックしておくといいと思います。

かかろうと思う病院に電話する
    急ぐ気持ちはわかりますが、以下の点から電話をあらかじめした方がいいと思います。
    ① 来院までの対処法を聞くため。
    ② 準備をしてもらうため。(カルテを出したり、必要な処置の準備とか。)
    ③ 対処可能な状態かの確認のため。
        当直医も各科一人しかいないので、手一杯なこともあります。
        症状によってはもっと大きな病院や救命センターを紹介することもあります。
        入院が必要そうな場合、ベッドがない可能性もあります。

電話があった時点から、お待ちしていますから、なるべく早く来てください。
前に、「入院の準備とか、身の回りの整理とかしていたので・・・」と5時間後に来院した方もいましたが
入院が必要かどうかは、みてみないとわかりませんので・・・・。

あと、電話の対応で深夜に眠そうで、ちょっと不機嫌そうでも許してください。
ほとんどの医者は、当直の次の日はふつうに朝から仕事です。
だから、夜は患者さんが列をなしていない限り、隙を見て眠っていますから・・・。

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