女医の結婚はやはり難しい
今日は、両親同士の初顔合わせ。 相方のお父様が口火を切った。 緊張した雰囲気の中、お父様が黙ると沈黙が流れる。 「・・・今日はどこまでお話できるかわからないですけれども 父は、じっと聞いていた。L字のソファに腰掛けた二人の視線は、机の上で交わっている。 「私の気持ちを打ち明けさせていただきますと・・・」 父が口を開いた。 「結婚を承諾するまで、言わなくてもいいことだったかもしれませんが私は自分が心配していることについて、随分失礼なことも言ってきたと思います。やはり、父親として娘の結婚相手の経済状況なども心配でしたから。長男も、妻も『二人が幸せならいいじゃない』という考え方でしたので、四面楚歌でした。でも、最初に言うべきことは言っておきたかった。これから二人が直面するであろう問題について、考えて欲しかったからです。それは、娘が仕事を持っているということが、結婚するにあたってどんなに大変かということを含めてのことです。」 「娘は、ご覧の通り結構わがままです。人の言うことも聞きません。小さいころから、私が何を言っても自分が『こうだ』と決めたことは曲げませんでした。これからも、自分のやりたいことは、周囲がどんなに言ってもやり続けると思います。専業主婦になれる娘じゃないですし、嫁に行っても、嫁の役割をきちんと果たせるような娘では無いと思います。自分で商売をやっていこうと決めている夫のサポートができる状態でもありません。きっと、嫁に行っても数々の迷惑をかけることになると思います。私の勝手なお願いですが、少しでもそんな娘の生き方を理解してくださったら、と思っています。」 弟が、後に続いた 「父は、これまでいろいろなことを言ってきました。すでにご承知のことだとは思いますが。ただ、僕は姉が結婚するということで起こった様々なことを見てきて、自分なりに『結婚にふさわしい相手』というのを考えるようになりました。僕は、父の後を継いで自営業を営んでいきますので、サポートしてくれる相手が理想です。男の目で見て、お互いが違う仕事を持っていたら、とくに姉のような特殊な仕事を持っていたら、そして、小さいころから姉の激しい性格を目の当たりにしていて、家庭を維持していくのは本当に大変だろうな、と思いました。そういう状況に対して、父は心配だったんだろうと思います。」 父は、さらに 「私の苦言は、たぶん娘の結婚からの責任回避だったのかもしれません。『ほら、だから言っただろう』と、言うためだったのかもしれません・・・・・こんな娘の状況を、半分でも理解してくださったら、と思います」 ・・・・のどの奥が熱くなってきた。熱さが上がってくる前に何度も深呼吸した。 ・・・・なんだか、愛されてるなぁ、私・・・・ 父の「言うべきこと」とは、このことだったのだと思った。 相方のご両親は、 今の時代は女性が働くのも当たり前の時代であること、少子化が問題になっている今、仕事を持つ女性をバックアップしていくべきだと思っているということを、淡々とおっしゃって下さった。 お母様は、「嫁を連れてきたというより、私のよき話し相手を連れてきたと息子に感謝しています。仕事をがんばっている姿で、私の夢も一緒にかなえてくれる気がしているのです」とまでおっしゃって下さった。 私は改めて、家庭を持つということと相方のご両親の娘になる、ということを実感し、背すじを正した。 母が、手製の昼ごはんを運んできた 父は、相方のお父様と、お互いの趣味のことや仕事のことなど なんだか楽しそうに、話をしていた。 こんなに素直に話す父を、久しぶりに見た 結婚式についても、「時期も、形式も、二人のいいように決めなさい」なんて、優しく言っていた。 拍子抜けして「じゃぁ・・・10月あたりに・・・」なんて答えた。 家に帰って、こうやって書いていて、
「元旦に、息子がうかがったときに結婚のお許しを得たということを聞き
本日は、ご挨拶にうかがいました。」
今後の結納のこととか、お話できたらと思いますが・・・」
「娘を幸せにしてくれるのか!」ということでは無かった。
男として、結婚を承諾した父は、そんなに小さい男ではなかった。
達成感はひとかけらも無い。
それは、未来のの二人の人生の
単なる通過点に過ぎなかったからだと思う。
結婚式も、通過点だろう。
私たち二人の幸せな結婚生活は
たくさんの人のハッピーパワーが無ければ
決して成り立たないということ
逆に、私たちの幸せが
大きなハッピーパワーを生むことを感じた。


Comments
まずは、良かったですねぇ~。
でも、やっぱり女医さんの結婚って難しかった??
僕は別にそれは女医に限った話じゃないのかなぁなんて、ずっと見てて思ったんですけど。
相方さんの親御さんが言っておられるように、昨今は女性の社会進出が当たり前になってきて、Hoornさんが今回直面した課題も、実は多くのカップルが直面してることだと思います。
というか、研究者の結婚なんてもっと難しいじゃん。(^▽^笑)
パーマネントの職はなかなかないし、3年、5年ごとくらいにそこら中飛び回るし、日本だけじゃなくて下手すりゃ海外だし。
ただ、今回の記事もそうですが、なんだかんだ言って、お父さんの男気というんでしょうか、父親の愛情というんでしょうかそういうのを本当に一部分だけかもしれませんが、感じずには居られませんでした。
僕自身、進路のこととか今後どうなるか悩んでいる時にある友達に相談したんだけど、その友達が言った言葉。
「人生なるようになるんだって。」
ほんとにその通りなのかもしれませんねぇ。
このまま新たな問題勃発することなく、進んでいけるようお祈りしています。
Posted by: Yokoken | February 11, 2006 at 10:49 PM
とにかく、良かったですね♪
それにしても、ウチの父と本当に似ているなぁ…。
(ちょっとびっくりです☆)
Posted by: Luna | February 11, 2006 at 10:57 PM
ジジです。
HOORNさんのお父さん、すてきだなぁ。
隣で聴いていたら泣いていたかもしれません。
それから、話が終わった後のHOORNさんの状況の捉え方が、すごく現実的で前向きで、かっこよくてほれちゃいそうでした。
区切りだけど通過点。
私なら今頃ヘロヘロになって腑抜けてるんじゃないかな。
10月ですか。
ほんとによかったですね。
Posted by: ジジ | February 12, 2006 at 11:11 AM
よかったです!ほんとに.
これからも仕事との兼ね合いとかいろいろいろいろ出てくるでしょうが,HOORNさんならいっぱいいっぱい考えて,話して,HOORNさんにとって最善の道を見つけていけると思います.
改めましておめでとうございます.
Posted by: さっちゃん | February 12, 2006 at 08:27 PM
>Yokokenさんへ
「今回直面した課題も、実は多くのカップルが直面してること」本当にそうですね。これからの私たちの生き方も、そんな共働きのカップルにとってひとつの形を提示するという意味があるかなぁと思っています。研究者に限らず、転勤とか海外出張など、物理的に一緒にいられない場合やキャリアアップのために職場を変えていかなければいけない状況で、長い人生設計が立てられないというような、私たちよりも難しいケースも多いと思います。それでも、家庭を築きたい・子供がほしいと考えるのは当然のことで、その当然の願いを自分の本当にやりたいことを切り捨てずにかなえることを模索していかなければならないんですよね。
そう、「人生なるようになる」!!!がんばりましょう!!お互いに!!!
>Lunaさんへ
似てますか・・・こんな頑固親父が世界に二人以上いると思うだけで、倒れそうですが・・・Lunaさんも結構苦労されたんですね・・・^^;)
Posted by: HOORN | February 12, 2006 at 10:23 PM
>ジジさんへ
お褒めに預かり光栄です(笑)現実的にならざるを得ない状況ですからね・・・。このBlogを書き上げた後は、さすがに布団に倒れこみましたよ。へろへろでした。
>さっちゃんへ
本当に、ありがとう!がんばりますね。私にとっても、二人にとっても、両方の両親にとっても最善の道を探したいと思います。
Posted by: HOORN | February 12, 2006 at 10:40 PM
ついに地かたまったようでなによりなにより。
長文、一気に読ませていただきました。
おいらも今月か来月には向こうの親に会う予定。どきどきです♪
Posted by: 和田歩人 | February 13, 2006 at 02:03 AM
遅ればせながら・・・良かったですね〜〜〜♪(おめでとうはまだ早いですもんね)
HOORNさんのご家族に乾杯ってかんじです。
今年は、通過点であり出発点でもあり。でしょうか?
なんだか私までワクワクしてしまいます。
私が結婚するとき、やはり父が「とてもワガママな娘だが、大丈夫か?」と言ったら彼は、「彼女のワガママくらいは受け止めたいと思います」なーんて格好いいこと言ってくれましたが、最近は「こんなにワガママだと思わなかったっ!」と嘆いてます。
もう、遅いよってなもんです。(笑)
Posted by: yukidarumako | February 13, 2006 at 07:44 PM
やっぱりお父さんは素晴らしい!!改めて感動しました!!!
あと…結婚をゴールとする世間一般の考え方には以前より違和感を感じていました。私の場合は新たなる戦いの始まりでした。価値観と価値観のぶつかり合い…。まだ何とか夫婦を頑張っていますが、結婚って、してみた先はそんなに楽しいわけではありません。家族を養い、家庭を築き、幾ばくかの充実感と、重大なる責任と…。まあ言う必要もありませんね(^o^)。
お父さん、立派です。やっぱりファンになるな。
Posted by: TARO | February 13, 2006 at 07:58 PM
>和田さんへ
おー!!いよいよですか!和田さんの男っぷりの見せ場ですね。緊張しますね・・・成功をお祈りしてますよっ!
>yukidarumakoさんへ
旦那様、かっこいい♪ですね。父親は、「むすめのわがままを受け止める人が現れたんだなぁ」ということも感慨深かったんでしょうね。yukidarumakoさんみたいに、幸せな結婚生活を送れたらいいな♪
>TAROさんへ
このBLOGを通して、父のファンが出来たということが、娘としては複雑ですがうれしいです。「新たなる戦い」ですか・・・。あえて「結婚」という形をとる意味が、そこにあるのでしょうね。契約を結ぶことで「逃げずに戦いましょう。そして、一つのことを2人で勝ち得ていきましょう」という前提で、戦うことが出来ますものね。私達は、名実ともに「夫婦」となることで、どんな変化が待ち受けているのか・・・そんなことも、今は楽しみです。
Posted by: HOORN | February 16, 2006 at 11:51 PM