私の心の中の決着
このBLOGでは、父とのやりとりを取り上げてきた。
「決着」にも書いたけれど、
あの時は、これで落ち着くのだと
心から、ほっとしていた。感動してもいた。
しかし、
今回実家に帰っている間に起こった出来事で
父は、何にも理解していなかったのだと思い知った。
でも、私はもう、父とは争わない。
父が、「結婚の話を進めろ」と言った責任を
きちんと、取ってくれることを、祈るだけである。
一度、「反対はしない」という形で 結婚を認めた父であったが、やはり納得はしていないらしく それから先の話を ことごとく避けていた。 何もかもが、元通りになったようだった。 そして、元旦に、相方は3度目の話し合いに来た。 そこで、 何年にもわたり、多くの人を巻き込んでくすぶっていた 私達の結婚問題が、一つの結論を向かえた。 父が問い、相方が真摯に答え、弟がまとめ、私と母は黙っていた。 ずっと、思いつめたように黙っていた母は、最後に 「お父さん、これだけは聞かせてください! もう、話を先に進めてもいいんですね!」と叫んだ。 「・・・ああ、進めろ」と、父が答え、母が号泣した。 父は、弟とそして従兄弟というイタコを介して取るべき道を見つけ、 相方と話すことで着地点を見出した。 「姉貴が父親を納得させるなんて、筋が違うし、でしゃばりすぎだよ。 もらいに来た方が、何とか納得させるべきだろう? 俺の立場でも、俺が納得させてやる、と考えると思うよ。」 と、弟は言ったが、果たして私のしたことは ただのでしゃばりだったのだろうか。 確かに、私は、何も出来なかった。 出来ないどころか、父と母の健康を損ねさせた。 大晦日に一歩踏み入れた実家は まるで、捨てられた家のように空気がよどんでいた。 父の血糖値は上がり、母は何週間も咳をしていた。 自分の口で、「反対はしない」と言ってからの父の状態は さらに悪化していた。 今回、父は「話を進めろ」と言ったに過ぎない。 形としては、結婚に何の障害も無くなったはずなのに なぜだか 私には獲得感はひとかけらも無く、 ただ、脱力感とむなしさが残った。 父親を変えることは出来なかった。 私が間違っていると感じていた部分を、何一つ変えることの無いまま、 共有したかった価値観を受け止めてもらえない出来ないまま、 父は結論を出した。 今回、父に礼儀を尽くし、争わずにいる術を学ぶことができた。 しかし、これから先も 父とは価値観を共有することはできないだろう。 人間として、心から尊敬することは出来ないだろう。 このことに、はっきりと気づいてしまってから今日まで あまりの脱力感と、喪失感に 何もする気が起きない。 「結婚したい」と親に告げたとき、 こんなに壮絶な過程を踏むとは予想できなかった。 結婚を、私の人生の選択を、ただほめて欲しかった。 父親に甘えていたのだ。 苦しませて、ごめんなさい。 私の甘えを、許してください。
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Comments
私も今、父親と、結婚のことではないけれど、他のことで、HOORNさんと似たような状況におちいってしまっていて…。
話し合って、1歩進んだと思っても、次の日には元に戻ってしまっている…。
親と価値観を共有できなかったり、失望してしまったりする事は、むなしく、本当に悲しいことですね…。
それでも、父親のことは好きなので、なんとかしたいと必死なのですが…途方にくれているところです。
(HOORNさんも私も)今はこんな状態でも、いつか『そんな事もあったね』と笑い話になる日がくると信じたいですね。
Posted by: Luna | January 06, 2006 09:59 PM
僕も残念ながら父を学者としてはそれなりに功績をあげていて尊敬すべき点があったとしても、人間性は認められません。
もちろん今の僕があるのは以前のDNAの話でもありましたが、父親がいてこそだと思います。
小さい頃から研究所とかに連れて行ってもらってそういう環境で育ってきたからこそ、こんな道を歩んでいるという部分はあると思いますし。
ただ、様々な物事に対する価値観においては、何度も何度も、「それはおかしいだろう。」と議論を重ねてきましたが、やっぱり変わること、共有することはありませんでした。
でも、今はそれで仕方ないんだと思っています。
父には父なりの歩んできた過去、人生があり、その過程で築き上げられたきた価値観を僕らがどうこういっても仕方ないんだと。
Posted by: Yokoken | January 06, 2006 11:12 PM
うちの親からも向こうの親からも結婚を反対されている和田です。おいらは別に反対されようが賛成されようがどっちでもいいのだけど、女性はやっぱりみんなから祝福されて結婚したいんですかね。
そんな態度じゃだめ、とよく相方にはしかられていますが(笑 HOORN姐さんも無理に承諾にこだわる必要もないんじゃないかなぁ・・・家庭の事情はそれぞれだからなんともいえないんですけどね。
Posted by: 和田草子 | January 07, 2006 09:16 AM
私も父には結婚に猛反対されました
「なんで医者と結婚しないんだ」って言われてむちゃくちゃ頭にきて
どうしてもそういう点で結婚を考える父が許せなかったのですが
今思うとそれも親ごごろなんでしょうか
父親の思いどうりにしてあげられなくて残念だけど
それでも自分に誇りを持って生きていく方が大事。
ね。
Posted by: にのちか | January 08, 2006 05:30 AM
>Lunaさんへ
共感していただけてすごくうれしいです!「親となら何でも分かり合える。分ってくれる」という考え方が、「親も一人の考えの違う人間なんだ」という考え方と、心の中でせめぎあっています。他人なら「違う人間」とあきらめることが出来るけれど、親だからあきらめ切れないんですよね・・・・。いつか笑い話に出来る日を信じましょう!!ありがとうございます。
>Yokokenさんへ
本当に、その通りです。やっと、そう思うことが出来る様になりました。
父親には父親の育った環境があり、
信じてきた道があり、
考えが自分と違うということは、考え方を押し付けて育てなかった、ということで
感謝すべきことなのかもしれませんね。
Posted by: HOORN | January 08, 2006 12:02 PM
>和田さんへ
そうか・・和田さんもそうでしたね。
彼女さんはきっと、「家を出る。家に嫁ぐ」ということを感じているのではないかしら・・・
たとえ末っ子のところに嫁ぐのであっても、
「一族に認められる」ということは大事だと、私もこだわってしまうんですよね(泣)その上、私が両親と今後もいい付き合いが出来るように、相方も私の実家と仲良くして欲しい(泣)
・・・本当に、欲張りだなぁ・・
>にのさんへ
「今思えば親ごころ」と、にのさんのように
すとん、と
考えることが出来る日が来るのでしょうね。
それまで、自分の選択に誇りを持って
自分に誇りを持って、生きていこうと思います!!
父と話す中で、
相方に出会え、共に生きる選択をした自分に
誇りが持てるようになりました。
考える機会をもてて、良かったです。
Posted by: HOORN | January 08, 2006 12:23 PM
きっと、同じようにお父様も“なぜ、俺の気持ちをわからんのだ!”と思ってらっしゃるんじゃないかな。親子だって(親子だからこそ)共感できず、認めなくても受け入れなくてはならないこと、たくさんありますもの。
>>結婚を、私の人生の選択を、ただほめて欲しかった。
これは、この先結婚して何年もたってから、HOORNさんが心から幸せだと思えたときに、認めてもらえることだと思いますよ。
Posted by: yukidarumako | January 08, 2006 07:27 PM
>yukidarumakoさんへ
・・・父もそう思っていると思います。
10年後、心から幸せだと思っていたいです。
そのときには、父も認めてくれるでしょうか・・・
認めてくれると信じたいです。
Posted by: HOORN | January 09, 2006 09:09 PM