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April 28, 2005

大人になるというのは

大人になるというのは

すれっからしになることだと

思い込んでいた少女の頃

立居振舞の美しい

発音の正確な

素敵な女のひとと会いました

そのひとは私の背伸びを見すかしたように

なにげない話に言いました



初々しさが大切なの

人に対しても世の中に対しても

人を人とも思わなくなったとき

堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを

隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました



私はどきんとし

そして深く悟りました



大人になってもどぎまぎしたっていいんだな

ぎこちない挨拶 醜く赤くなる

失語症 なめらかでないしぐさ

子供の悪態にさえ傷ついてしまう

頼りない生牡蠣のような感受性

それらを鍛える必要は少しもなかったのだな

年老いても咲きたての薔薇 柔らかく

外にむかってひらかれるのこそ難しい

あらゆる仕事

すべてのいい仕事の核には

震える弱いアンテナが隠されている きっと……

わたしもかつてあの人と同じくらいの年になりました

たちかえり

今もときどきその意味を

ひっそり汲むことがあるのです。

        『鎮魂歌』 茨木のり子

震える弱いアンテナ か・・・・。大人になると「こうあるべき」ということばかりが堆積していって、子供のころは無意識だったことを意識しないと出せなくなる。少し、自分の大掃除も必要かな。

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Comments

何をもって“大人”・・・?
“大人”になる事を、意識しなくなった時なのかな〜

悟ってなお、初々しさを持ち続ける。そんなふうに私もなりたい。

Posted by: yukidarumako | April 28, 2005 at 08:20 AM

「悟ってなお、初々しさを持ち続ける」おごらない、背伸びをしない、本当にそんな風に私もなりたいです。

Posted by: HOORN | April 29, 2005 at 12:36 AM

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